色彩と光を科学する

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色彩と光を科学する

「気分はブルー」、「ビジネス色が強い企業」、「バラ色の人生」、「スポーツ色の強い番組」、「大衆芸能の色物」など、実在する色かどうかに関わらず、ひとつの色が単独でメッセージを発することがある。色は光が物体の表面で反射し、見るものの目と心に届くまでの物理現象。この原理を理解していなくても、人はひとつの色や複数の色の組み合わせを見ると、時代や文化を超えて、さまざまな共通の反応を示す。 医師、薬剤師、美容師、ファッションコーディネーター、ネイリスト、メイクアップアーティスト、グラフィック・WEBデザイナー、塗装業、パティシエ、華道家、印刷業、企業広報(CI)など、世界中で色彩の知識が仕事の成果を左右する職業が多数誕生している。日本には色彩検定やカラーコーディネーター検定など、色彩に関する資格や検定試験が複数ある。

Category : 科学

Date : 2021.09.08

参考文献

色彩の科学(金子 隆芳著/岩波書店刊)
化学と生物学の接点:自然に学ぶ構造色材料(桑折 道済/千葉大学)
文字と色との組みあわせ(太木 裕子/京都造形芸術大学)

色の心理効果

中学美術の学習指導要綱の抜粋では、色彩の指導に関して、生徒に漠然と作品を見せたときには、色の種類などを捉える程度で終わってしまうことが少なくない。対して、色味や明るさ、鮮やかさなどの性質や、それらが感情にもたらす効果などについて着目させながら生徒の造形的な視点を豊かにし、対象を見つめさせることで、別の思いや考えが生まれてくることも多いという。
また、小学理科の学習指導要綱を抜粋すると、光の屈折では入射角と屈折角の定性的な関係にも触れ、白色光はプリズムなどによっていろいろな色の光に分かれることにも触れる。身近な事象として虹や水面に映った景色などを示し、問題を見いださせるようにする。金属が酸素や硫黄と結び付く反応のように、反応前後の物質の色や形状などの違いが明確なものを取り上げる。火山噴出物については、溶岩や軽石、火山灰などの色や形状を比較しながら観察させ、その結果をマグマの性質と関連付けて考察させる。

色彩を創る

色彩学だけを専門とする学者はレアで、何か別の専門家であることが多い。色彩学は「学際科学」で、研究などがいくつかの異なる学問分野にまたがって関わっている。光を波と見た場合、色の違いは波長の違いで説明できる一方で、色は人間の目に映る感覚でもあるため、数学、物理学、心理学、医学など、さまざまな学問分野から複眼で論じられてきた。

色の天秤

日本には古来より紫草(むらさき:Lithospermum erythrorhizon)、茜草(せんそう:Rubia argyi)による染色があり、紫草による深紫色の服装は、奈良王朝では親王と臣下1位の者、また浅紫色は臣下の2位と3位の者と定められ、茜を用いて赤く染める緋色(ひいろ:やや黄色みのある鮮やかな赤で平安時代から用いられた伝統色)は、紫に次ぐ高位の色とされた。服制は幾度か更改されたが、紫や緋の占める高い位置は変わることなく、常に高貴の象徴とされ、平安朝の人々も歌に詠み、豊かで優雅な美しさをたたえた。
紅花を原料とした紅は、平安時代の多くの女性が憧れた美しさを感じる色。江戸時代、京都で作られた「京紅(きょうくれない)」と呼ばれる口紅は、同じ重さの金に匹敵する価値を持つ高級品とされ、男性が意中の人の好意を得るための「勝負プレゼント」として重宝された。

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