ベースボールカードが教える英雄の変遷

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ベースボールカードが教える英雄の変遷

ボード紙に印刷されたトレーディングカード(海外ではコレクタブル・カードと呼ぶ)の歴史は古く、1886年に米国のタバコ会社が商品に同梱したシガレット・カードが発端といわれる。
ニューヨークのメトロポリタン美術館「アメリカン・ウイング・ギャラリー」には、ベースボールカード・コレクションがあり、スポーツが歴史を通して果たしてきた重要な役割を垣間見ることができる。コレクションは、ジェファーソン・バーディック(1900-1963)がメトロポリタン美術館に寄贈した、3万枚以上の野球カードを含む30万枚以上のトレーディングカードが核。

Category : スポーツ

Date : 2022.01.12

タバコとフーセンガムに同梱されたベースボールカード

19世紀末に販売されていた「タバコのパッケージ」は、薄い紙でくるまれた簡易梱包で、ポケットの中でシガレットが折れてしまうことがあった。そこで、たばこ箱を補強する目的で厚紙を入れていた。その厚紙に野球の絵柄を印刷されたのがベースボールカードの始まりだといわれる。
1930年代に入ると、Topps(トップス)というフーセンガム会社が、商品と一緒にベースボールカードを同封。世界恐慌が起こった際に、一時的にカード製造は縮小したものの、人気を博した。ガムに同梱されたベースボールカードは、タバコカードに対して、バブルガムカードと呼ばれた。

メジャーリーガーは憧れの存在

ベーブ・ルースの愛称で知られるジョージ・ハーマン・ルース・ジュニア(1895-1948)は、偉大な功績からメジャーリーグ史に燦然と輝く英雄の1人。本塁打王12回など、数々のMLB記録を打ち立て、当時と現在では多少ルールが異なるものの、2021年現在も破られていない記録も多い。2018年11月、当時のドナルド・トランプ大統領から勲章が追贈された。
日本でも「ベーブ・ルースの伝記」が教材に利用されており、少年時代は良い子でなかったベーブ・ルースが、マシアス先生というすばらしい指導者によって、野球のすばらしさを知って立ち直り、プロ野球界で打者として、また投手として大活躍。みんなから愛された名選手となった。といった生涯が教育上模範的で、評価の確定した過去の人物である点が、伝記教材として選定された理由とされる。

世界中で盛り上がるトレーディングカードブーム

トレーディングカードの売買は、eBayなどのオークションサイトが主な流通を担う。現在でもスポーツを題材としたものが特に人気が高く、サイン入りやケースに入れられて保管されているものに高値が付く。トレーディングカードの市場規模は、年間4,000億円以上との調査もある。2018年に大谷翔平がMLBデビューした年に発行されたルーキーカードは、一枚限定のデザインで、直筆サインが入っていたため、2,000万円を超える金額で売買され、日本でも話題になった。
プロスポーツが大きなエンターテインメント産業となっている米国では、MLB(メジャーリーグベースボール)は、NFL(ナショナルフットボールリーグ)に次ぐ100億ドルを超える年間収益をあげ、日本野球機構(NPB)の6倍以上。観戦者数は年間7,300万人を超える。

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