希少種の未来

ヨウム（Grey Parrot）はアフリカ赤道部から西海岸の森林地帯に分布する大型のインコ。知能が非常に高く、人の言葉の意味を理解して「人間とコミュニケーションをとる能力がある」と言われる。2016年10月、絶滅のおそれのある動植物の国際取引に関する条約（CITES）で、取引を禁止するリスト（Appendix）にヨウムが掲載され、最高レベルで保護される。

ミミヒダハゲワシ（Torgos tracheliotus）この鳥は、ヌビアンハゲワシとしても知られ、腐肉を食べる。ハゲワシの禿げた頭は、餌を食べている間、羽をきれいに保つことを可能にしている。アフリカ中部と南部の平原に生息。

コキジバト（Streptopelia turtur）は、開いた森で見られ、しばしば地上で餌を食べる。

交尾期のオスの グンカンドリ（軍艦鳥）(frigatebird）

草の中に座っているアオガン（Branta ruficollis）

ニシハイイロペリカン（Dalmatian Pelican）。ギリシャで撮影。

ニシツノメドリ（Atlantic puffin）は主に魚を食べ、北ヨーロッパ、フェロー諸島、アイスランド、北アメリカ東部の海岸で繁殖するが、冬の間は海で過ごす。独特のオレンジ色のくちばしを持っており、「海のピエロ」とも呼ばれている。一生を同じパートナーと過ごす夫婦仲の良さで人気がある。

黒と白のエリマキキツネザル（ruffed Lemur）。ロンドン動物園の新しいキツネザルの囲いの中で、枝に座って、下に集まっているメディアの大群衆を研究している。

サンギヘメガネザル（Tarsius sangirensis）。インドネシアのスラウェシ島の北東約200kmに位置するサンギル島にて。

ヤンバルクイナ、沖縄。沖縄島北部やんばる地域のみに分布。マングースの北上に伴い、本種の分布の南限が北上し、発見後15年間で分布域は約25％減少。

アラスカのエトピリカ（Fratercula cirrhata）のペア。国内ではかつて道東の島々で繁殖していたが、1970年代に入って激減。現在は根室市のユルリ島とモユルリ島のみで繁殖

コウノトリの両親とひよこ。江戸時代までは各地で吉兆の鳥として大切にされていたが、明治時代に狩猟が解禁され大きく数が現象。1971年の記録を最後に、日本産の野生個体は姿を消したが、兵庫県では飼育下で生まれた個体を野生に復帰させる取り組みを1992年から行っている。

クロコシジロウミツバメ（Oceanodroma castro）。大規模なコロニーがある日出島は、「日出島クロコシジロウミツバメ繁殖地」として島自体が国の天然記念物に指定され、手厚く保護されている。海面と飛び、魚や甲殻類を餌とする。

飛行中のハクガン（Snow Geese）。絶滅危惧種であるハクガンの個体数は、2004/05年の調査開始以来増加傾向にあり、2013/14年調査では、これまでの調査で最も多く記録。かつてはロシア極東地方から日本への飛来が多数確認されていたが、狩猟等によって消滅状態となっていた。その後、狩猟が禁止されたことや、長年にわたる日・米・露の専門家による飛来数復元の取組が行われており、飛来数の増加につながっていると考えられている。

シマフクロウ（Bubo blakistoni）。20世紀初頭までは、北海道全域に分布していたが、森林伐採による営巣木の減少と河川改修や砂防ダム建設による餌の魚類の減少等により、現在は、北海道東部の知床、根室、十勝、日高地域などで見られる。絶滅のおそれが最も高い絶滅危惧ⅠＡ類に指定。このうちの約半数は、良好な自然環境が保全されている知床地域に生息している。

オスのジュゴン（dugong）。沖縄周辺の海域に生息。環境省のレッドリストにおいて最も絶滅の おそれの高い種の一つとされているが、個体数が非常に少ないことから生態等については依然として不明な点が多い。

ラッコ（sea otter）。1700年代から毛皮を目的に乱獲され、大きく減少。国際自然保護連合（IUCN）のレッドリストでも絶滅危惧種に指定されている。

シベリアイタチ (Siberian Weasel)は、哺乳綱食肉目イタチ科イタチ属に分類される食肉類。別名チョウセンイタチ。長崎県対馬に生息。2020年にレッドリストに追加された。

沿岸の岩の上にいるトド（sea lions）。アシカの最大種で、オスの体重は最大1,100kg。肉食性の哺乳類で、主な獲物は魚。アメリカとアジアの北太平洋沿岸に生息。日本近海に来遊するアジア集団のトドは、1990 年代以降個体数は増加傾向にあると推定されている。

チェコ共和国、北ボヘミアのウースチーナドラベム動物園のニホンカモシカ（Japanese serow）。ニホンカモシカは日本の特別天然記念物に指定されている。愛媛県で「県内絶滅」とされていたが、目撃情報があり、「絶滅危惧Ⅰ類」に分類し直された。

カナダ、マニトバ州、チャーチル近郊、海氷上を歩くホッキョクグマ（Polar Bear）。2100年までに絶滅の恐れがあるという論文が発表されている。

バナナとキャッサバのプランテーション拡大のために、ガイアナのカヌク山地にある森林が伐採され破壊された熱帯雨林

川沿いの町を舞台にした中国の戦闘シーンを描いたオナガサイチョウ（Rhinoplax vigil）の彫刻が施されたサイチョウの頭蓋骨。 文学や文化を意味するように翻訳できる中国のウェンの文字が付いた旗を持った人物も登場している。 19世紀。トリングでのコレクションから。

オナガサイチョウ（helmeted hornbill ）は非常に大きい鳥でサイチョウ族。マレー半島、スマトラ、ボルネオ、タイ、ミャンマーに生息。カスク（頭のヘルメットのような構造）の重量は3kgあり、体重の約11％を占める。

アオウミガメ（Green turtle）と廃ビニール袋。カメはしばしばビニール袋をクラゲと間違えて食べる。プラスチック廃棄物は、動物を窒息させたり絡ませたりする。プラスチック廃棄物は通常、自然には分解せず、正しく処分しないと環境中に残留する。また微細な断片に分解されたマイクロプラスチックは、食物連鎖に影響を与え、海洋環境に深刻な長期的影響を与える可能性がある。マレーシア、ボルネオ島のシパダン島沖で撮影。

マレーシア、ボルネオ島、サバ州のかつての熱帯雨林地域における商業用アブラヤシ農園

スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥーンバーグ（Greta Thunberg）。トリノ、イタリア。 2019年12月13日

2020年2月5日から13日の間に発生した熱波による南極イーグル島の氷の融解を示す衛星画像。熱波には、2月6日に南極で記録された史上最高の18.3℃の温度が含まれている。上の画像は2020年2月4日に撮影され、下の画像は2月13日に撮影。下の画像では氷が大幅に少なく、一部の氷冠には溶けた池（青）が見られます。 Landsat8衛星のOperationalLand Imager（OLI）によって取得された画像。

ベルリンの自然史博物館にある始祖鳥（Urvogel）の化石標本。学名はアーケオプテリクス（Archaeopteryx）で、ジュラ紀に生息し、爬虫類と鳥類の両方の特徴を持ち、現在の鳥類の祖先とされたが、最新の研究では否定されている。

先史時代公園のディロフォサウルスのレプリカ。映画「ジュラシック・パーク」で有名になった恐竜だが、最近の研究では鳥に近い種とされる。

コロラド州リードビル国立鉱業博物館の炭鉱にあるカナリアの展示。かつて鉱山労働者は、採掘現場に人間よりも先に有毒ガスを察知するカナリアを連れて行き、カナリアの声が止んだら、危険が迫っていることを知らせる前兆で、有毒ガスが発生した「危険のサイン・警報」として利用した。

英国には森林を舞台にした物語が多く、弓の名手「ロビン・フッド（Robin Hood）」物語は、多数映画化・アニメ化されている。かつて緑豊かだった現在の英国の森林面積は、現在では国土の13％に過ぎず、産業革命時の乱開発で多くの森が失われた。

動物の毛皮が衣類に使われ、16世紀のシベリアで毛皮交易（Fur trade）が発展し産業化された。毛皮用動物の乱獲に応じて絶滅が危惧される種が増えた。衣類に対する嗜好の変化に加え、動物愛護の観点からも産業としては衰退しているが、現在でも年間取引額220億ドル（約2兆3,000億円）のグローバルな毛皮取引が続いている。

米国の生物学者＆作家のレイチェル・カーソン（Rachel Carson:1907-1964）が著した「沈黙の春（Silent Spring）」は、1962年に出版された。DDTなどの農薬の残留性がもたらす生態系への影響を公表し、化学農薬の危険性を、鳥や虫たちが鳴かなくなった春という出来事を通し訴えた。

グリム童話の「黄金のガチョウ（Die goldene Gans）」では、善行に対するお礼に「幸運を授けましょう」と小人がくれたものとしてガチョウ（goose）が描かれる。英国童話の「マザーグース（Mother Goose）」、イソップの「ガチョウと黄金の卵（The goose and the golden egg）」、グリム童話の「ガチョウ番の女（Die Gansemagd）」にもガチョウが登場する。

メルヘン街道沿いに位置する街、ドイツのゲッティンゲンには、「世界で最もキスされた少女」といわれる銅像「ガチョウ番の娘リーゼル」がある。40人以上のノーベル賞受賞者が学んだ名門ゲッティンゲン大学では、1901年に像が設置されて以来、博士課程修了試験に合格したら、この像の頬にキスをするのが習わしになっている。

ブラジル南東部、エスピリトサント州リニャレスの「Cupidoe Refugio Farm」で撮影されたアカハシホウカンチョウ（Crax blumenbachii）。2000年に、「絶滅寸前」（絶滅危惧IA類）から「絶滅危機」（絶滅危惧IB類）となった。

オスのキャンベルアイランドコガモ（Anas nesiotis）、塩水を飲む。ニュージーランドのキャンベル島の固有種で飛べない。2011年に、「絶滅寸前」（絶滅危惧IA類）から「絶滅危機」（絶滅危惧IB類）となった。

モントセラートムクドリモドキ（Icterus oberi）。2016年に 「絶滅危機」（絶滅危惧IB類）から、「危急」（絶滅危惧II類）となった。

キミミインコ（Ognorhynchus icterotis）、コロンビアのアンデス山脈の絶滅危惧種。2010年に、「絶滅寸前」（絶滅危惧IA類）から「絶滅危機」（絶滅危惧IB類）となった。

アフリカのモーリシャスのパンプムスにある植物園のインディアンロータス（Nelumbonucifera）の果実の上に座っているモーリシャスベニノジコ（Mauritius Fody）。2009年、「絶滅寸前」（絶滅危惧IA類）から「絶滅危機」（絶滅危惧IB類）となった。

飛行中のコスミレコンゴウインコ（Anodorhynchus leari）ペア。2009年、「絶滅寸前」（絶滅危惧IA類）から「絶滅危機」（絶滅危惧IB類）となった。

絶滅した鳥類・ドードー鳥も生息していたモーリシャスのモーリシャスホンセイインコ（Psittacula echo）。2007年、「絶滅寸前」（絶滅危惧IA類）から「絶滅危機」（絶滅危惧IB類）となった。

ラロトンガヒタキは、ラロトンガ/クック諸島に固有の珍しいヒタキ。クック諸島。2000年、「絶滅危機」（絶滅危惧IB類）に。そして2012年には「危急」（絶滅危惧II類）となった。

トキ（Nipponia nippon）。2003年に日本生まれの最後のトキが飼育下で死亡。しかし1999年に中国から譲り受けたトキのペアの子孫が飼育下で繁殖に成功。2008年からは新潟県佐渡島にて野生復帰の取り組みがはじまり、修学旅行生の環境学習にも取り入れるなど、過疎化が進んでいる地域の活性化にもつながっている。