未来を動かすクルマ

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未来を動かすクルマ

世界初の自動車は、1769年にフランスのニコラ・ジョセフ・キュニョーが作った蒸気三輪とされる。フランス軍が砲車をけん引するために製造された。ガソリン自動車が誕生するのは1886年ごろで、ドイツのカール・ベンツが、世界で初めて4サイクルガソリンエンジン(内燃機関)を搭載したクルマを発明し、実際に販売した。
250年前に誕生したクルマは、100年以上に渡って内燃機関が主流だったが、化石燃料枯渇問題、温室効果ガス排出問題など、社会環境は大きく変化し、問題を解決できる電気動力へのシフト気運が高まる。また、自動運転にかかわる技術開発や法整備が急ピッチで進み、社会的な関心も高まりつつある。

Category : 歴史

Date : 2023.01.11

参考文献

トヨタGAZOO HP 「自動車誕生から今日までの自動車史(前編)」

夢をカタチにする

われわれが見ることができるコンセプトカーは、ほとんどがショーモデル。ショーモデルには、プロトタイプ(試作車)とモックアップ(主にクレイモデル)がある。モックアップは、デザインテーマのエクステリアスケッチを具現化したもので、動かない。
性能の高さと機能の多さがクルマの価値を決めていた時代には、ユーザーのライフスタイルに着目し、デザインと技術の感性を具現化した。スポーツカーに代表される、機能を追求した「かっこいい」モデルは、レース結果や歴史に裏打ちされた確かな物語が、より強い印象を与えた。
現在では持続可能性を前提とした環境対策、エネルギー課題の解決策、整備されたICT基盤や普及した5GやAIなどの技術インフラも考慮し、より高度な利便性と安全性を兼ね備えた知能化と差別化が求められる。差別化を積み重ねたものをブランドという。

ドラマツルギーに欠かせないクルマ

2CV(ドゥシーボ)を操るクラリスを、ルパン三世がフィアット500(チンクエチェント)で並走して助けるシーンから始まる「ルパン三世 カリオストロの城」。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」では、ドクがデロリアンDMC-12をタイムマシンに改造し、ツインパインズ・モールの駐車場で実験する。初代ジェームス・ボンドは、アストンマーティンDB5を操り、ミスタービーンはモーリス Mini MK IIで、三輪車リライアントリーガルを目の敵にする。「ナイトライダー」には自動運転を実現したポンティアック ファイヤーバード トランザム(ナイト2000)が登場する。ドラマをよりドラマらしく仕立てるために、個性的なクルマたちが担う役割は大きい。

新時代を駆動するCASE

100年に一度といわれるビジネスの大変革を余儀なくされた自動車業界では、新たな事業ドメインをCASE(ケース)と呼んだ。CASEは、Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(シェアリングとサービス)、Electric(電気自動車)の頭文字をとった略語。2016年のパリモーターショーで、ダイムラーAG・CEOでメルセデス・ベンツの会長を務めるディエター・チェッチェ氏が、中長期戦略発表資料の中で用いたのがはじまり。
Sharedが普及すると、クルマの販売先はB2CからB2Bに変わる。ConnectedやElectricでは、アップルやソニーなど、新たに自動車業界への参入を表明する企業が多数あり、良質な技術やサービスを提供していくすそ野が大きく広がる。ライドシェアだったウーバー(イーツ)は、物流業界で勢力を広げた。日本航空は、2025年の大阪万博での運用を見据え、ドイツのボロコプター(VOLOCOPTER)製「空飛ぶクルマ」を100台(機)発注したという。

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