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– 学習プログラミング –

ジャカード織機は1801年、フランスの絹織物職人ジョゼフ・マリー・ジャカール（Joseph Marie Jacquard：1752-1834）によって発明された自動織機。パンチカードの1列の穴が横糸と経糸1本に対応し、複雑な模様の生地の大量生産を可能とした。ファッション業界で重要な役割を果たした。また、近代のIBMコンピュータの開発に貢献することになる。

パンチカードの1列の穴が、横糸とたて糸1本に対応し、複雑な花や葉の模様を織り込んだ生地を大量生産できるジャカード織機（1801年）。この考え方が、近代のIBMコンピュータの開発に貢献した。

英国の数学者エイダ・ラブレス（1815-1852）は、チャールズ・バベッジが発明した歯車を使った機械式の計算機（階差機関：difference engine）、特に数値記憶と演算部分を分けた構造の解析機関（analytical engine）で、パンチカードでプログラムとデータの入力を行ったことから、世界初のコンピュータープログラマーと言われる。

英国のコンピューターのパイオニア、チャールズ・バベッジ (1791-1871) の息子、ヘンリー・バベッジが1910年に開発した機械式計算機（バベッジ・エンジン）。足し算、引き算、掛け算、割り算を行うために設計された4つの機能を備えた“電卓”だった。

チャールズ・バベッジの階差機関１号機。チャールズ・バベッジは、階差機関と解析機関を考案したことから、コンピュータの父と呼ばれる。

米国の科学者、マーガレット・ハミルトン（Margaret Hamilton）と、彼女のMITチームがNASAアポロ計画で、月面着陸用アポロ誘導コンピュータを制御するソースコードのリスト。ソフトウェアの大部分は、特殊なROMに格納された。ソフトウェア・エンジニアリングという用語は、マーガレット・ハミルトンが作ったとされている。

IBM SYSTEM 360のオペレータ用コンソール。レジスタの内容を示すランプと、スイッチ類が並ぶ。右上に緊急停止用の赤い大きいボタン。IBMはSYSTEM360の開発に社運を賭けた。投資額は現在の価値で３兆円を超え、アポロ計画の総予算を上まわった。

世界で初めて「プログラム可能」な機械式計算機を考案した英国の数学者チャールズ・バベッジ（Charles Babbage：1791-1871）。バベッジは、計算の機械化可能であることを示し、基本的アーキテクチャは、現代のコンピュータによく似ている。

コンピュータのプログラミングに長く受け継がれているパンチカード。IBMによって拡張された1行80項目の仕様は、現在でもFORTRANなどのプログラミング言語の基本となっている。IBMの記録によれば、1937年にはニューヨークに32のパンチカード工場を持ち、毎日500万枚から1000万枚のパンチカードを生産していた。

1946年2月、米国のジョン・モークリーとJ.P.エッカートは、世界初の大型コンピュータ「ENIAC（エニアック：Electronic Numerical Integrator and Computer）」を公開。当初は米陸軍の弾道研究所で、砲撃射表の計算を第一の目的として設計された。ENIACは17,468本の真空管、7,200個のダイオード、1,500個のリレー、70,000個の抵抗器、10,000個のコンデンサ等で構成されていた。

プログラミングを教えるために設計されたTI（Texas Instruments）のコンピューターに組み込まれているBASICに似た言語、通称「TI-BASIC」でプログラミングを学習する8歳の少年。米国のダラスで1983年に撮影。

米国ウォーフィールド空軍基地で、サイバー攻撃を監視する「サイバー軍」のオペレーター。ログファイルを分析し、視覚化を利用してサイバー脅威の最新情報を提供する。

アメリカのPC市場は1970年代後半に急拡大。Appleが、1977年に発表したパソコン（パーソナルコンピューター）の「AppleII（アップルツー）」は、キーボード、CPU、メモリ、画像出力装置、音声出力装置、外部記憶装置とのインターフェイス、プログラミング言語BASICなどを単一のパッケージとして内蔵した、最初の「オールインワン」タイプのコンピュータだった。AppleIIの販売台数は、1978年度(1977年10月～1978年9月)に7,600台、1981年8月には累計30万台を超えた。応じてAppleの売上高は、1982年には10億ドルを超えた。

TRS-80は、1970年代後半から1980年代初めに米国タンディ・コーポレーション（Tandy）が製造し、同社が経営する家電量販店の「ラジオシャック（Radio Shack）」で販売されたパソコン。CPUはザイロクZ80を搭載。米国のパソコン市場が急拡大している時代で、1979年に18万台、1980年に29万台、1981年に70万台のパソコンが出荷された。

1977年にコモドール社が発表したパソコン「Commodore PET 2001」は、北米の教育市場で人気を博した。PETはPersonal Electronic Transactor（個人用電子実行機）の頭字語。CPUは、モステクノロジー社のMOS 6502を搭載。OSはCommodore BASIC。PET 2001はグローバルサプライチェーンの"草分け"。CPUと組み立ては米国、基板はメキシコ、パッケージはフィリピン、ディスプレイは台湾、キーボードは日本、カセットはシャープの台湾法人で大量生産され、製造コストを削減した。

TI（テキサス・インスツルメンツ）の電卓。左から右へ、TI-2500（1972年）、TI SR-50（1973年）、TI-12、TI-81（1990年）。TI-2500は、電源にニッカド充電池が6本必要だった。厳しい競争で電卓用ICの価格は1971年8,000円、1974年 1,800円、1975年1,000円、 そして1976年には360円となった。IC価格の低下に応じて、電卓の販売価格も1978年には11ドルに低下した。

マイクロソフトが開発したMS-DOS（エムエスドス）は、1981年、IBMのパソコン用OSとして発売され、IBMパソコンの成功により16ビットパソコン市場でデファクトスタンダードとなった。1982年には、コンパック（Compaq-DOS）などのIBM以外のパソコンメーカーにもOEM提供された。マイクロソフトは、1993年のMS-DOSバージョン6を最後に、1995年にはMicrosoft Windows 95を発売した。

1987年、Appleのビル・アトキンソンが開発したHyperCard（ハイパーカード）は、複数の文書を関連付けるハイパーテキストを実現した最初の商用ソフトウェア。Macintosh（Mac OS）上で動作し、プログラムを記述するにはHyperTalk（ハイパートーク）と呼ばれるスクリプト言語を用いる。HyperTalkは、インタプリタ方式のスクリプト言語で、文法が英語に近く、初学者にも人気が高かった。

フローチャート（flowchart）を書く能力は、プログラマーにとって必須スキル。プログラムの流れを可視化し、プログラミングの設計図となる。別名「流れ図」とも呼ばれる。

HP（ヒューレット・パッカード）は、世界初のポケットサイズの関数電卓「HP-35」を1972年から1975年まで販売した。キーが35個配列されたことからHP-35と命名され、計算方法は逆ポーランド記法（RPN：Reverse Polish Notation）が採用された。プログラミング初心者の練習課題として、逆ポーランド記法の電卓を作ることがよく行われている。プログラミング言語では、ForthやPostScriptなどが逆ポーランド記法が採用された。

1959年に事務処理用に開発されたプログラミング言語COBOL（コボル：COmmon Business Oriented Language）は、古いプログラミング言語ながら、現在でも主に金融業界や行政サービスなどで広く使用されている。画像は、世界初のビジネスアプリケーション向けコンピュータのUNIVAC（UNIVersal Automatic Computer）を開発したチームの一員で、COBOL開発でも重要な役割を果たしたグレース・マレー・ホッパー（1906-1992）が、COBOLプログラミングを教えている。1967年頃に撮影された。

コミュニティベースで開発されているオープンソースのPHP（ピー・エイチ・ピー）は、汎用プログラミング言語で、Webアプリケーション開発に利用されることが多い。PHPは、C言語、Perl、Javaなどのプログラミング言語に強く影響を受けており、これらの言語に近く学習しやすい文法を有する。OSがLinux、ミドルウェアがApatch、データベースがMySQL、プログラミング言語がPHPで開発される標準的なウェブサーバの構成を、頭文字をとってLAMPS(ランプス）と呼ばれる。

世界初のハッキング（hacking）は、1903年、イタリアの物理学者グリエルモ・マルコーニが無線機を発明し、ロンドンで無線通信の公開実験を実施した際に、既得権益を失うことを恐れた当時の業界団体の技術者が、マルコーニの無線機が通信を行っている周波数を知らない状態でも通信内容を傍受することに成功した時とされる。ハッカー（hacker）は、本来、コンピュータやシステムについての高度な知識と技術をもとに、不具合を改修したり、性能や使い勝手を向上させるために改造する人を指し、企業のシステムなどに不正侵入し、情報を盗み出したり、データを改ざんしたり、システムを破壊することは、クラッキング（cracking）という。

パソコンなどで作成したプログラムを、ロボットにデータを転送し、思い通りにロボットを動かすロボットプログラミングでは、処理の速さとハードウェアの制御に長け、ロボット制御用ライブラリが豊富に用意されているため、C言語がもっとも利用されている。

自動操縦モードで走行するテスラのモデルX車。自動運転には、一般にAI（人工知能）技術が欠かせないため、プログラミング言語はPython、C、C++が一般的。

米国のコンピュータサイエンティスト、ケン・トンプソン（Ken Thompson）は、長年ベル研究所に勤め、UNIX、B言語を開発した。1976年には、カリフォルニア大学バークレー校で「バークレー・パスカル」を開発。その後Googleで名誉エンジニアとして所属。画像はパラオで切手に採用されたケン・トンプソン。

DEC（ディジタル・イクイップメント・コーポレーション）が、1970年代から1980年代に販売した16ビットミニコンピュータシリーズPDP-11。

電話の発明者グラハム・ベルに由来する「ベル研究所」は、ベル・システム社が1920年代に設立した研究所。さまざまな革新的なテクノロジー開発で知られ、コンピュータープログラミング開発に関しても、UNIXやC言語など、多大な貢献をもたらした。2015年4月、ノキアが166億ドルで買収し、ノキア・ベル研究所（Nokia Bell Labs）となる。

マイクロソフトの創業者で長きにわたりCEOを務めたビル・ゲイツ。マイクロソフトは、さまざまなプログラミング言語を開発した。Windowsユーザー向けプログラミング言語では、「C#」「Visual Basic.NET」「C++」「Node.js」などが有名。

1977年から1995年にかけて、カリフォルニア大学バークレー校（UCB）の研究グループが開発・配布したUNIXとソフトウェアは、BSD（Berkeley Software Distribution）と呼ばれた。BSD UNIXは、コードと設計がUNIXと共通で、多くのベンダーがBSDを広く採用した。

米国のコンピューター科学者、ジョン・バッカス(John Backus：1924 年生まれ)は、プログラミング言語 FORTRAN（Formula Translator）の発明者。プログラマとしてIBMに入社し、1953年にIBM 701コンピュータ用のアセンブリ言語を開発。FORTRANは1957年に完成し、コンピュータ間の通信を可能にした最初のプログラミング言語だった。

米国国防総省の機関である国防高等研究計画局（DARPA）が主催する、災害救助用のロボット競技大会「DARPA（ダーパ）ロボティクスチャレンジ」に参加する学生。人が近づけない過酷な災害現場で活動するロボットの開発を促すのが目的で、画像はマイアミのホームステッドで開催されたイベント。

国や地域を問わず、小学生に向けて、プログラミングに興味をもってもらうため、ロボットプログラミングやゲームプログラミングを用いる学校は多い。実際にさわってモノが動く手順を理解したり、ロボットを使いながら演習を行う。IT教育先進国のエストニアでは、10才以上の子どもたちは、ロボット工学、プログラミング、Webデザインを学ぶグループが作られる。

エストニアで毎年開催される国際ロボット競技会および博覧会「Robotex」。エストニアの人口は132万人で、電子政府（e-Government）をいち早く実現し、世界から注目された。2012年に「Proge Tiiger」というプログラミング教育推進プログラムを開始。幼稚園からプログラミングの基礎知識を学ぶ。プログラミング教育の導入、実施は学校や指導者の任意となっているものの、多くの学校が実施し、プログラミング教育を通して、批判的思考、問題解決力、創造力、協調性を育んでいる。

「Code313」 は、デトロイトの 7 ～ 17 歳の青少年を対象とした非営利プログラムで、コンピューター コーディングや仮想現実を含むその他のテクノロジーベースのテーマに関する無料のワークショップを提供している。

ロボットをプログラミングで動かすと、目に見えて成果が分かるため、子どもでも飽きずに学習が続けられることから、ロボットプログラミン教材に注目が集まる。LEGOとMITが共同開発し、PythonやC#のプログラミング言語が利用できる「LEGOマインドストーム」、NTTドコモとインフォディオが開発した「embot（エムボット）」、ソニーとアーテック社が共同開発した「KOOV（クーブ）」、jig.jpが開発し、1,500円から購入可能でプログラミングができるシングルボードコンピュータ「IchigoJam（いちごジャム）」、タミヤの「カムプログラムロボット工作セット」など、日本でも多くのプログラミングロボット教材が販売されている。

プログラミング能力に性差がないことは、複数の調査で明らかにされていて、最近の近畿大学の研究グループの調査でも、技術者がプログラムを理解する速度に、性別による差がないことが明らかにされた。

プログラミング教育に関する調査では、男子は教えられたテクニックの応用に興味があり、「コンピュータゲームが好き」「コンピュータを使って課題を解決するのが好き」「プログラミングが好き」を挙げる傾向が強く、女子は「コンピュータで、人や社会に貢献したい」「プログラミングで何をするか？」に興味があるという傾向が報告された。