SPECIAL FEATURE
大人気アニメ「名探偵コナン」の最新作は「黒鉄の魚影(サブマリン)」。累計発行部数3,200万部を誇る漫画「沈黙の艦隊(かわぐちかいじ作)」の実写映画化と、潜水艦を舞台にした映像作品が次々にリリースされる。
"ジェームス・ボンド"が所属する英国のMI6(秘密情報部)や米国のCIA(中央情報庁)といった各国の「インテリジェンス」と密接にかかわる潜水艦は、多様化した海中情報「ACINT(アシント:Acoustic Intelligence)」のデータと情報の収集を担う。
Category : 歴史
Date : 2023.04.19
近代の潜水艦では、1863年に米国で製造された「インテリジェント・ホエール(Intelligent Whale)」が有名だが、起源をたどると、紀元前にまでさかのぼる。前5世紀の終わり、ギリシアのアテネとスパルタが対立した「ペロポネソス戦争(Peloponnesian War)」で、潜水戦が登場。紀元前332年の「タイヤ包囲戦(Siege of Tyre)」では、鐘の形をした潜水艇を使って、アレクサンダー大王が潜水した挿絵が、6世紀のムガル帝国に残る。日本では、竹筒を使って水にもぐり身を隠す、忍者の「水遁(すいとん)の術」は、江戸時代の忍術書に記載がある。
初めて戦争で使用された潜水艦は、アメリカ独立戦争で、1776年9月7日夜、カメを思わせる形状から「タートル」と名付けられた潜水艇で、マンハッタン南のガバナーズ島に係留されていたハウ将軍の旗艦イーグルを攻撃した。タートルは、欠点が多い潜水艇だったが、後の潜水艦開発に多くの技術を伝承した。
東京ディズニーシーのミステリアスアイランドでは、ジュール・ベルヌのSF小説「海底二万里」でネモ船長が愛用する架空の潜水艦ノーチラス号を見学できる。ノーチラスの名は、1800年、米国の発明家ロバート・フルトンがフランスで建造した実在する潜水艇名で、タートルの技術を伝承し、ラテン語で「小さな船」を意味する。
1892年、日本では北里柴三郎が破傷風血清療法を発見(1890)したころ、ドイツの技術者ルドルフ・ディーゼルがディーゼルエンジンを発明した。ディーゼルエンジンの発明は、潜水艦兵器の位置づけを大きく変えた。第一次世界大戦中(1914-1918)、ディーゼルエンジンを搭載したドイツの潜水艦の総称「Uボート」が、約300隻が建造され、第二次世界大戦中(1939-1945)には、1,131隻が建造された。当時の潜水艦は、「敵に発見されにくく、大型船を撃沈できる魚雷をもち、建造費が大型艦に比べれば安価」などのメリットがあった。一方で、第二次世界大戦中には、米国で水晶の圧電特性を利用して潜水艦を検出するソナー(SONAR:SOund Navigation And Ranging)が発明され、潜水艦の位置が探知された。現在の漁船には、ソナー技術を利用した魚群探知機(Fishfinder)が装備され、大きな釣果が期待できるようになる。
世界初の原子力潜水艦「ノーチラス」は、1954年に米国で竣工され、1955年初航行した。艦尾のスクリューを回転させて推進する構造は同じだが、ディーゼル潜水艦がディーゼルエンジンで航行するのに対し、原子力潜水艦は、原子炉で生成される熱エネルギーで水蒸気タービンを回すことでスクリューを回す。原子炉の動作には酸素を必要としないため、長期間の連続潜航が可能となった。
潜水艦の大きさ(体積)は、船舶(貨物船を除く)同様に、排水量(displacement)や水中排水量(潜航状態の排水量)で示され、アルキメデスの原理で、水上に浮かべた際に押しのけられる水の重量をトン単位で表わす。総トン数は、国により計測基準が異なる。海水の比重は25度で1.021~1.030の範囲にある。ノーチラスの排水量は3,500トンだったが、現在では2万トンを超える潜水艦も使用されている。
潜水艦が潜れる深度は、最高機密とされる。一方で、軍用の潜水艦、潜水艇(一般に小型の潜水艦)と、「潜水調査船」は別モノ。有人潜水調査船の建造は、1980年代に盛んになり、日本の「しんかい6500」は、名のとおり水深6500メートルまでの潜航が可能な有人潜水調査船で、1990年に運航が開始された。世界トップクラスの潜航能力をもつ。東日本大震災時には、発生4か月後に海底の震源域調査を実施した。
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