あまりに使い古された英国の登山家ジョージ・マロリーの「Because it's there.(そこに山があるから)」の引用は、「なぜ山に登るのか」と問われた時の返答として知られ、登山や人生における挑戦の精神を象徴する言葉として100年以上語り継がれる。
古代における山岳信仰や神聖視、近代ヨーロッパにおける「自然の征服」としての登攀、さらにはポストコロニアル的視点からの再解釈など、登山は常に人の思想や価値観を反映する鏡。近年では、SNSを通じて“達成の証”としての登山が可視化され、「バズる登山」が新たな動機や価値として位置づけられる。
近年の論文に見る学術的な関心もまた、こうした社会的・文化的背景の変化に伴い広がりを見せ、従来の自然科学や歴史学的アプローチに加え、社会学、文化人類学、ジェンダー研究、環境倫理、観光学など多様な分野からの学際的な研究が進められている。登山をめぐる物語の変遷をひもとくと、現代社会における人と自然との関係を捉え直す手がかりとなる。
歴史を振り返ると、絵やポスターは単なる装飾ではなく、時代の空気を鋭く映し出す「言葉なき語り手」として機能してきた。中でも「風刺画」と「プロパガンダポスター」は、それぞれ異なるアプローチで社会に影響を与え、人々の意識に強く訴えかける存在だった。
風刺画が「問いを投げかける」ものであるのに対し、プロパガンダポスターは「答えを提示する」ものとも言える。前者は多様な視点を許容するのに対し、後者は一つの価値観を強調し、時に誘導的になることもある。
だからこそ、私たちは両者をただのアートとしてではなく、「時代の語り部」として読み解く姿勢が求められる。絵の奥にある意図や背景を考えることで、表現が持つ力とリスクの両面を理解することができるのだ。
風刺もプロパガンダも、見る者に行動や思考を促す点では共通している。大切なのは、それらに触れた時、自分自身の考えを問う目を持ち続けることだ。
困難に直面したとき、人が人を支える行為は、人間にとって根源的な営みである。古代から文化ごとに形を変え、制度として発展してきたこの支え合いはいま、少子高齢化という社会構造の変化に加え、介護ロボットや人工知能(AI)といった先端技術の急速な進展に直面している。これらの技術は介護や支援の形を大きく変えつつあるが、一方で人間らしさや倫理をどう守るかという新たな課題も生まれている。「人が人を支えること」の意味と価値が改めて問われる中、写真を通して、その歴史的な広がりとこれからの姿を考える。
2026年は「ガウディの年」として注目されている。主な理由は、ガウディの代表作であるサグラダ・ファミリア(聖家族教会)が完成予定とされているからである。また、ガウディは1926年に亡くなっており、2026年は没後100年という節目の年でもある。ガウディの建築は、自然界に見られる構造や形態、調和を取り入れた独自のスタイルを持ち、有機的建築(オーガニック建築)の代表例とされ、建築史において特異な存在感を放っている。一方、現代の建築界では、環境への配慮やサステナビリティへの関心が高まっている。こうした潮流の中で、有機的建築の思想は再評価されており、自然との共生を志向するデザインや、再生可能エネルギーの活用、地域素材を取り入れた建築などに受け継がれている。ガウディの遺産は、単なる歴史的建築ではなく、環境と人間の未来をつなぐヒントとしても、現代の建築に新たな視点を与え続けている。
毎日の食卓に欠かせない「ごはん」。その一粒に、一万年の物語が詰まっていることをご存知だろうか。日本人にとって、米は単なる食べ物ではない。神に捧げる供物であり、年貢として支配の道具となり、時には人々を飢饉に追い込み、争いを生む「富」でもあった。この特集では、稲作の起源と日本列島における定住と社会の始まり、水をめぐる争いや、祭祀・神道・民俗信仰の中心的存在である米について、多角的な視点から「米の物語」をひもといていく。
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洋服が日常の服装として定着している現代の日本。今では和服はまれにしか着用されないが、明治の文明開化までは誰もが和服を身に着けており、流行も時代によって異なっていた。鎖国下の日本で育まれた独自の素材や技術は、現代の服飾にも多く活かされている。こうしたかつての日本の着物と、それがもたらした世界の文化や歴史を通じて、着物が持つ普遍的な美しさを紹介します。
ビジュアルを得意とするナショナルジオグラフィック社が北米とヨーロッパで出版する旅行雑誌『ナショナルジオグラフィック・トラベラー』、「海外版・地球の歩き方」とも称されるガイドブック『ロンリー・プラネット』。他にもアメリカ大手出版社のコンデナスト社の旅行雑誌など、 AWLイメージスの画像は、これら著名な専門雑誌の表紙を何度も飾ってきました。
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乾燥した日が続いて強い風が吹き荒れると、枯れた森の木々の枝がこすれ合い、こすれた枝の摩擦が熱に変わり、炎を出して燃えだす。これが森林火災。ちょうど手のひら同士をこすり合わせると熱くなるのと同じ原理。
夏の強い太陽の日差しが、地表を照りつけると、地表付近の水分を含んだ湿った空気が膨張して軽くなり、上昇気流となって積乱雲(入道雲)を作る。積乱雲の中で水滴が重力による落下運動と、上昇気流による上昇運動を繰り返すと、水滴同士が衝突しながら摩擦される。この摩擦運動が静電気を発生させ、帯電した静電気の量が1センチあたり5,000ボルト以上の高電圧になると、空気の絶縁が破れて地表に放電する。これが「雷」で、森林に落雷すると、森林火災を発生させることがある。
海洋プレートが大陸プレートの下にもぐり込むときに発生する摩擦は、プレートを変形させ、変形によって蓄えられたひずみエネルギーが一挙に解放されると「巨大地震」となり、摩擦力はマグマも生み出す。
もしも摩擦がなかったら、山は崩れ平地になろうとし、織物の糸はほどけ、釘やボルトで締め付けて造った家屋は崩壊。動いていた電車やクルマは止まれなくなり、人は歩くことさえできなくなる。摩擦は、ふだん意識されることが少ないが、空気の存在と同じように、日常の現象のすべてに関わっており、不要な摩擦を除去できれば、GNPの数パーセントに相当するエネルギーやコスト削減につながるという試算もある。
攻撃と防御は常に表裏一体。攻防の象徴ともいえるのが、ホコ(矛)とタテ(盾)。ホコは、もともと狩猟用具として発展し、長いリーチと高い貫通力を持つ攻撃武器として戦場で用いられた。一方、タテは敵の攻撃を防ぎ、戦士を守る防具として生まれ、攻撃と防御のバランスの中で進化した。初期のホコは木製の柄に石器を取り付けたものだったが、青銅器や鉄器の時代には金属製の穂先が導入され、威力が増した。タテも同様に、木製や皮張りのものから金属製や複合素材へと発展し、防御力が強化された。
中世に入ると、騎士は「長槍(ランス)」で突撃し、タテは、小型で機動性の高いバックラー、大型で全身を守るカイトシールドなど、戦況に適したデザインが採用され、さらに、タテには紋章が描かれ、個人や部隊の象徴としての役割も担うようになった。「突き通せない盾(タテ)と、何でも突き通す矛(ホコ)とは両立しない」、つじつまが合わないことを表す故事成語「矛盾」は、「漁夫の利」などとともに、日本では小学3年生から4年生の国語教育で学習する例が多い。
「これ、なんだろう?」と思わず声が出てしまうような、面白い形の写真たち。そんな写真には、不思議を見つける力や想像を広げるきっかけがたくさん詰まっています。顕微鏡で見た細胞や、宇宙から撮影された壮大な風景を通して、子どもたちは普段目にすることのない世界の奥深さに触れ、「ものごとの仕組み」に気づく力を自然と育んでいきます。細胞の小さな構造や宇宙の景色をじっくり見つめることで、物事の本質に迫る視点が身につき、さらに広い視野で考えられるようになります。
日本では、不動産は通常、土地が有限であるため希少性が価値を高め、長期的な資産として時間の経過とともに価値が増加する傾向があると考えられている。しかし、国境線が頻繁に変わる地域や銀行への不信感が根強い国や地域では、不動産よりも動産が安全な資産とみなされる。地政学的要因に加え、国境線が変わると土地や建物の所有権に関する法律が変更される可能性が高く、所有権が認められなかったり没収されることがあるため、不動産はリスクの高い資産とされる。一方で、宝石、貴金属、株式、車などの動産は移動可能な財産であり、一般には不動産に比べて価値が時間とともに減少する傾向がある。しかし、金やダイヤモンドなどの貴金属や宝石は、国際的な市場で高い価値が保たれている。良いもの(玉)と悪いもの(石)が入り混じっている状態を表す四字熟語「玉石混交」の「玉」は貴重で価値の高いものを意味し、「石」は一般的で価値の低いものの象徴として用いられる。宝石にまつわることわざや慣用句も多く、英語圏の「未完成のダイヤモンド(Diamond in the rough)」は、ダイヤモンドが研磨されて初めてその真価を発揮するという特性に基づき、潜在的な価値を持つが磨かれていない人物や物事を指す。また、宝石の輝きが女性の美しさに例えられることが多いフランスの「女性の宝石(Un bijou de femme)」は、美しい女性や魅力的な女性を指す。
芸術家たちが作品を生み出す瞬間、その真剣な表情や日常のひとコマを捉えた写真は、ただの記録にとどまらず、臨場感や物語を語りかける。ミシェル・シマやルネ・サン・ポールといったフォトグラファーは、芸術家の創造的な空間に寄り添い、時代の空気感や文化を肖像写真に織り込んだ。彼らの作品は、カメラを通じて芸術家の日常を垣間見せるだけでなく、私たちに人間の創造性とその背景にある物語の深みを伝えてくれる。
金の平均小売価格(1グラム)は、10,928円(2023年12月4日)から14,858円(2024年11月25日)に約36%上昇。日経平均株価は、2023年12月4日の33,231円から2024年11月25日の38,780円に約17%上昇した。2022年7月まで390円だったマクドナルドの「ビッグマック」は、2024年1月に450円から480円に値上げされた。農林水産省の発表資料によると、2024年産の10月のコメの「相対取引価格」は、全銘柄平均で「2万3,820円/玄米60キログラム」と前年比で約1.5倍になった。
AIや生成AIの急速な発展が私たちの日常や仕事のあり方を一変させた2024年は、国際的には地政学的な緊張が続きつつも、平和への模索が続いた。国連やCOP(気候変動枠組条約締約国会議)を通じた気候変動対策への国際協調が進む一方、複数の国が新興連合(emerging alliance)を強化。たとえばBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)は、新興経済国として国際経済秩序での発言力を高め、アジア太平洋地域では、RCEP(地域的包括的経済連携協定)が経済的統合を目的として機能。一方でCRINK(中国、ロシア、イラン、北朝鮮)は、独裁的な政治体制の連携を示す新たな地域的・国際的な不安定要因として注目され、国際社会の安定と平和に対する脅威と見なされた
建築の「ファサード(外観や正面)」は、建物の「顔」として、用途や機能、デザインが一目で分かるように表現される部分。都市景観に大きな影響を与え、ランドマークやアイストップとなることで、街の印象を左右する。また、外観のデザインには時代や文化が反映され、建物の歴史的な背景や設計思想が見て取れる。現在でも、ファサードは建築計画や意匠設計の上で極めて重要視され、環境に配慮した持続可能な設計が求められ、法的な制約や周辺環境、建主の意向、建物の属性などの多様な条件から決定される。
ノーベル文学賞を受賞したハン・ガンさんの短編小説「京都、ファサード」では、建築用語の「外観や正面」にとどまらず、個人が外部に見せる「表向きの顔」や「仮面」といった比喩的な意味でも用いられ、登場人物たちが自身の内面と外部に見せる姿との間にあるギャップや、他者との関係性における表裏の問題が描かれ、ファサードを通じて、人間の内面と外面の複雑な関係性や、自己表現の多層性を探求する。また、建築物の「外見的な形」を整えることに由来する日本語の「建前(たてまえ)」は、「本音」の対義語で、本心を隠して遠回しに気持ちを伝えることをさし、日本社会では長く重要視された。
祝祭日は、歴史的、宗教的、農耕に関連する出来事に根ざし、集団が共通の目的や価値観を再確認して強化する機会。文化人類学者エミール・デュルケーム(Emile Durkheim)は、祝祭や儀式は「集団的興奮(collective effervescence)」を生み出し、人々の社会的結束と連帯感を強める役割を果たすという。伝統や文化を継承する手段でもあり、例えば、宗教的祝日(クリスマス、ラマダン、ディワリなど)は、信仰の伝統を子孫に教え、共有するための重要な機会を提供する。
また、文化人類学では、祝祭日は人々の時間の管理に関わる役割を果たしていると考えられ、多くの祝祭日は、農業サイクルや自然のリズム(季節の変化、収穫期など)に関連し、社会的なサイクルや時間のリズムを定義する重要な要素。つまりカレンダーとしても機能する。
文化人類学者ヴィクター・ターナー(Victor Turner)は、儀礼的な祝祭が「コミュニタス(平等な社会的絆の感覚)」を生み出す一方で、同時に既存の階層や役割を強化する側面もあると指摘。日常生活の緊張やストレスを緩和する機能(カタルシス、無礼講によるガス抜き)も果たすという。さらに、祝祭日が経済活動の活性化の役割を果たしている点も無視できない。祝祭は物品やサービスの消費を促進し、特に贈り物、衣装、食事などに関する経済が一時的に繁栄する経済的側面も祝祭日の継続的な存在を支える要因となっている。
映像の持つ情報量は、画像やテキストに比べ格段に多い。まさに、確実で理解しやすいことを強調することわざ「百聞は一見にしかず」。歴史的な戦争、革命、社会変動などを記録した映像は、その時代の雰囲気や感情、重要な瞬間をまるで「体験」しているかのように感じさせ、臨場感を与える。また、歴史を単なる出来事の羅列として見るのではなく、具体的な人々の人生や選択、感情を通して歴史を感じることができ、歴史を単なる過去の記録にとどまらない「生きている」ものとして理解でき、いまでも続く影響を感じ取れる。
一方で、記録映像には、撮影者側の「論理」と「事情」が存在するのも確かで、単純に映像から発信される情報を受け取っていればいいわけではない。また、記録映像は、全体の一部を切り取られたものも多く、情報のすべてを伝えているわけではない点に注意し、「誰によって」撮影されたかの出所を明確にする必要がある。実際の教科書事例を見ても、教科書の画像やテキストと、記録映像とをハイブリッド化したものが多く見受けられる。
文字を持つ文明では、筆記具があれば、古代から文字や絵を記録できたが、仮に、1826年に、ニセフォール・ニエプスが撮影した写真が世界初、また1891年にトーマス・エジソンが開発した「キネトスコープ」が映像メディアの始まりとすると、写真は約200年前、動画は約130年前、それ以前の記録写真と記録映像は存在しない。
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